節(シチ)祭

  旧暦9月の己亥(つちのとい)を吉日として3日間にわたって行われる節(シチ)祭りは国指定の重要無形民俗文化財で約500年以上の伝統を誇ります。大勢の観光客や郷友が見守る中、厳粛なミリク行列や狂言、多彩な奉納舞踊などが繰り広げられ、来年の五穀豊じょうと住民の健康、地域の繁栄を祈願します。
写真:祖納の棒術
  祖納の節祭は、91年に「西表島の節祭」(祖納・干立)として国の重要無形民俗文化財に指定されました。
早朝の一番ドラで「ユークイ吉日」を告示し、続く二番ドラで旗頭を建てるスリズ儀式が行われます。
 続いて、まるまぼんさんを前にしたマイドンの浜と前泊御嶽を舞台とし、1日かけて行事が執り行われます。
写真:婦人アンガーたちが船を手招き(干立)
   舟子が舟を海に押し出す舟浮かべの儀式をはじめ、旗頭を先頭にピョウシ(ヤフヌティ)、ミリク行列、顔を黒い布で覆った2人の女性を先頭にした節アンガー行列がおごそかに繰り広げられ、引き続き、満潮に合わせて舟をこぐユークイ儀式(舟クイ)が行われ、男性たちが2そうのサバニに乗り込み、力強く櫂(かい)を漕ぎ、まるま盆さんを回る競漕(きょうそう)を繰り広げます。
写真:干立の船漕ぎ
   節祭は神行事として昔から特別なもので、学校はもちろん休みとなり老いも若きも全てがこれに参加します。
写真:船子と婦人アンガー達によるヤフヌティ(櫂の手)
 干立でも前の浜と星立御嶽でシチが行われ、ヤフヌティ(かいの手)、船漕ぎ、牛追い狂言、弥勒行列、獅子舞が次々と演じらます。
 干立の独特な出し物として知られるオホホは、弥勒行列の途中に、ひょうきんな面をかぶり、ふろしきに包んだ大金をばらまくユニークな道化師が現れるもので、「オホホー」と奇妙な声を上げて観客を沸かせます。
 両会場には島外から訪れた郷友会員や観光客など多数が詰めかけ、古式ゆかしい祭りをじっくりと堪能して1日を過ごします。

写真:フチダミと歌い人を囲んで静かに踊るアンガー


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